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難病コラム一筋5000本の下垂体患者・活動家、先端巨大症とホルモン。



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2012年11月02日

誰もが使える制度は使えない

何にでも効く薬はあるかしら。
いたずら盛りのころ、
小さなけがは毎日のようにしていまして、
庭先に植えてあったアロエには、
よく世話になりました。
軽い傷でしたら、自分で塗って、まだ遊びだしたものです。
何にでも効く薬は便利なのだけど、
大きなけがは、そういうわけにはいきません。
状態に応じたケアが必要ですよね。
制度も同じ。
いまの難病制度では、障害者手帳を所持していない場合、
福祉の対象にならないといわれますが、
より正確には、障害者手帳がなくても、
難病患者なら誰でも受けられるサービスが実在します。
対象は特定疾患プラス関節リウマチの131疾患。
難病患者等居宅生活支援事業といいます。
難病情報センターに制度解説があります。
こちら
読んで字のごとく、療養生活支援を目的とした事業で、
患者の生活の質(QOL)向上が目的です。
ホームヘルプもショートステイもある。
日常生活用具も給付してくれます。
障害者と同様のサービスを131疾患なら「誰も」が使える。
さぞかし利用者が多いと思いきや、
年間の利用者は全国で数百人程度しかいません。
短期入所に至っては、全国で年10人ですからね。
誤記でも単位ミスでもありません。全国で10人です。
ほとんど利用されていないのが実態なのですね。
なぜか。

理由はこちらにまとめておきました。
難病患者の中には、手帳を持つ方がいまして、
この手のサービスが必要な方は、
手帳を申請して、取得するわけです。
サービスを申請するさい、手帳の方が手続き上簡単らしい。
サービス自体が知られていないとか、
問題はいろいろあるかもしれませんが、
「誰もが使える」ように、
障害者と難病の垣根をとっぱらっても、
手帳なしの患者にとっては、
使えるメニューが並んでいないのです。
入浴や排泄、食事の介護といっても、
下垂体の患者はピンとこないでしょう。
日常生活用具の給付といっても、
特殊尿器や体位変換器、入浴補助用具は要らない方が多いはずです。
既存の障害者メニューを、誰もが使えるようにすれば、
谷間がなくなると言った、単純なものではないのです。
誰もが使えるサービスは、
難病患者には、使えない。
なぜ、こんなことが起きるのか。
病気ごとにニーズが違うからです。
下垂体の患者だったら、就労支援や職場への指導が切実です。
専門医が遠い方もいるから、通院への経済的支援もほしい。
先端巨大症は顔が変わる病気であって、
誰にも言えず、一人抱えて、精神的に辛いもんです。
支援策がほしい。

冒頭の薬のたとえ話では、
万能のアロエはあってもいいんだけど、
けがや病気ごとに必要な薬は違います。
病気ごと、患者ごとに必要な支援策も違う。
難病の支援策は、きめ細かく設定する必要がある。
だからなのです。
難病対策は、疾患ごとに必要な支援策を練り、
対策を打たねばならない。
個別策は差別ではありません。

支援策には、誰もが使えるようにするサービスと
疾患ごと、患者ごとに特有のサービスがあります。
医療費助成は長く治療する方ほど深刻ですから、
難病でなくても、癌や慢性疾患の患者にも、必要な制度です。
ワタシは自己負担問題にこだわっていまして、
それはそれで正しい視軸だと思うのですが、
治療費の重さだけが課題ではない。

難病患者にとって、両方とも必要なものなのであって、
障害者運動に軸足を置く方たちは、
前者のことを強調し、「谷間」をなくそうという熱意のあまり、
疾患ごと対策は、あまり眼中にない。
ワタシは視野の狭さを憂いています。
(ああっ、こうやって自ら矢面に立っている)

「誰もが使える」サービスだけではなく、
病気の特性に合ったサービスをきめ細かくつくりだしていく。
創造には、難病指定が必要です。
研究班を組んで、効果的な治療法を探り、
必要な支援策を練っていく。
医学の果たすべき比重が高いのです。
支援の必要性を見極める物差しの
かなりの部分は、医療スタッフが占めます。

難病リストは対策への「入口」に相当します。
リストをつくるから「谷間」が生まれるのではない。
「難病等」の「等」を制度に適応したり、
包括的な病名を用いたり、
「谷間」を生まないリストをつくる知恵が肝要なのであって、
リストをつくること自体を否定してしまったら、
この先、前には進みません。
リストをつくるからこそ、
疾患ごとの不公平を正す道が開くのだと考えます。











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