名古屋大大学院の吉村崇教授らの研究グループは、
動物には季節を感じるホルモンが存在することを研究している。
今年三月には、ウズラの下垂体から分泌される
甲状腺刺激ホルモン(TSH)の作用に注目した論文を発表した。
春は恋の季節。
春になって日が長くなると、
TSHは視床下部に作用して
生殖腺の発達を促すのだという。
TSHが甲状腺ホルモンを刺激するという
従来考えられてきた作用とは全く違う働きを持っていた。
図入りの解説は、
「科研費NEWS」2008年一号を参照のこと。
季節を感じるホルモンは、
哺乳類にもあるようだ。
哺乳類が季節を感じるメカニズムに、
脳内の松果体から血液中に夜間、
分泌されるメラトニンと呼ばれるホルモンが
深くかかわっている。
マウスを使った実験で突き止めた。
(時事通信社報道による)
論文は米科学アカデミー紀要の電子版に掲載される。
吉村教授は今回の解明が
「ヒトの季節性感情障害(冬季うつ病)の原因究明に
つながることが期待される」と話している。
ヒトにおいても限られた季節にうつの症状を
呈する季節性感情障害(冬季うつ病)という病気がある。
この理解にも貢献することが考えられるようだ。